カンテレについて

カンテレは北欧フィンランドの伝統楽器です。
木片をくりぬいて作った3角形の筺に数本の弦を張っただけの、原始的なお琴です。テーブルや膝に置いて、チャララーンと伴奏します。真冬のバルト海を思わせる寒々とした音色が特徴的です↓

伝説では、フィンランドの英雄ワイナミョイネンが、大きなカマスの顎骨で竪琴を作ったのが始まりだとされています。

”5弦の琴を作ろう、永遠の楽しみをもたらすものを”
”カマスの顎骨で胴を作ろう”
”カマスの歯で糸巻きを作ろう”
”馬のたてがみで弦を作ろう”

――叙事詩『カレワラ』の40章から――

ワイナミョイネンが竪琴を弾くと、そのあまりに美しい音色に、聴いていた人々はみんな涙を流したのでした。

数千年の間、カンテレはフィンランドの民謡をぽろんぽろんと伴奏する小さな楽器でしたが、時代を経るにつれ西欧のクラシック音楽や20世紀のサブカルチャー音楽の影響を受けて、大小さまざまなタイプのカンテレが演奏されるようになりました。