弦を弾く順番を見つける

メロディを覚えたとして、次はそれをカンテレでどのように弾けばよいか?具体的には「出だしはこの弦から弾いて、次はこの弦を弾く。その次は…」とメロディの最初から最後まで、弦を弾く順番を見つける必要があります。それが次の課題です。

さて。カンテレを目の前に置いてみて、どうです、できそうですか?
カンテレの弦は11本、試行錯誤すればできないことはないでしょうが。できれば無駄な努力はしたくない。何でもいいからヒントがほしいところです。ヒントねえ……ありますよ。

メロディの最後の音は必ずドかラの音です。

準 備

話を進める前に準備をしておきましょう。
紙と鉛筆を用意してください。
これは分かったことを忘れないようにメモするためです。「”出だしはソソソミレードドー”」みたいに。

カンテレはDキーにチューニングしてください。
確実ではありませんが、統計的にDキーは弾ける曲が多いです。カンテレの音階やチューニングについては、こちらの記事をご覧ください。
»『カンテレの音階』

最後の音は必ずドかラ

では話を進めましょう。
メロディの最後の音は必ずドかラの音だ、という話でした。そうですね、それは真理です。(って小学校で習ったはずですよ。)メロディの最後の音――たいてい長く伸ばして終わる音の、雰囲気や余韻に注意してください。

最後の音が楽しい感じ
最後の音がぱあっと陽が差す感じ、楽観的な未来を予感させるような雰囲気の曲は、長調の曲です。長調の曲の最後は、必ずドの音で終わります。
最後の音が哀しい感じ
最後の音がどんよりと陽が陰る感じ、悲観的な未来を予感させるような雰囲気の曲は、短調の曲です。短調の曲の最後は、必ずラの音で終わります。

さて、あなたのメロディの最後の音はドですか?ラですか?
初心者でも案外に正解を選ぶものですよ。なに、間違ったら反対でやり直せばいい。

そしてそれはカンテレではどの弦かというと……分かりきったことです。「DキーはDの弦から順に弾いていくとドレミファソラシド」になっているのですから、ドの音はDの弦を弾けばいい。ラの音はBの弦を弾けばいい。はい、これで一つ見つかりました。

最後の音を頼りに他の音を見つける

後はクロスワードやナンバーズを解くように、分かるところから片っ端に見つけていきます。

とりあえず最後の音が分かったのですから、終わりの方から逆向きに見つけていくのはどうでしょうか。「なぜかサビの部分だけすんなり分かってしまった」ってこともあるでしょう。

運良く終わりの音と出だしの音が同じなので一発で分かった、ということもあるでしょう。メロディの終わりの音が決まっているように、出だしの音も割と決まってます。

長調の曲の出だし
長調の曲の出だしはたいていドの音。でなければソの音。希にミの音。
短調の曲の出だし
短調の曲の出だしはていていラの音。でなければミの音。ドから始まることも。

最初は真っ白で途方に暮れるかもしれませんが、後半になるにつれ、加速度的に答えが見つかります。

高さが合わないときは他のキーで試す

運が悪いとメロディの音が高すぎたり低すぎたりで弾ける弦がない、とうことがあります。こうなると仕方ないので、メロディが11本の弦の間に収まるように、他のキーにチューニングします。高い音が足りないならCキー、低い音が足りないならFキーなどいかがでしょうか。

そうそう、チューニングしてるうちにいろいろ忘れないように、メモしておくといいです。

※ 以上は原則です。最近のハイカラな曲だと、終わりの音や出だしの音が違うこともあります。民謡や童謡はまず原則通りですから、慣れないうちはそのへんから練習するといいでしょう。

※ 曲の音域が広すぎてどうしても11本の弦の間に収まらないとか、途中で変な半音が出てくるとかで、そもそもカンテレで弾けない曲もあります。それはもう諦めてください。一つの楽器でどんな曲でも弾ける、というのは西欧のコンサート楽器の常識です。民族楽器だと、曲によって弾けたり弾けなかったりするのは、ざらです。