カンテレの音階

カンテレはDキーの音階にチューニングします。
「Dキー」というのは、Dの弦から順に弦を弾いていくとドレミファソラシドに聞こえますよ、という意味です。

Dの弦から順にドレミファソラシド↓

カンテレはDキーの音階の他にも、3つの異なる音階にチューニングすることがあります。だからカンテレは、全部で4つの音階を使います。

曲がカンテレの音域に収まるように四苦八苦

Dキーだけじゃダメなのか?
Dキーだけだと、曲によっては高い音が足りなかったり、低い音が足りなかったりして、演奏できないことがあるのです。

例えば下の試聴サンプルでは、最初はDキーで『グリーンスリーブス』を弾いているのですが、低い音が足りないので、そこはむにゃむにゃと誤魔化して弾いています。

その次はFキーで『グリーンスリーブス』を弾いています。
同じ『グリーンスリーブス』ですが全体的に高い音で弾いているので、下に余裕があって、そのためいちばん低い音まできちんと鳴らすことができました。

「カンテレでグリーンスリーブスを演奏するならDキーじゃなくてFキーだね!」という判断になります。

Dキーで『グリーンスリーブス』を弾いてみた↓

Fキーで『グリーンスリーブス』を弾いてみた↓

4つの音階

カンテレで使う4つの音階について説明します。
尚、チューニングスイッチについては後で説明していますので、そちらをご覧ください。

Fキー

FキーはFの弦から順に弾いてドレミファソラシドに聞こえます。
だからいちばん低い音は1オクターブ下のミの音になります。
短調の曲(暗い鬱な雰囲気の曲)を多く弾くことができます。弾ける曲は『グリーンスリーブス』『カチューシャ』など。

チューニングスイッチを搭載しているカンテレは、全てのチューニングスイッチを横に倒してください。着脱式のチューニングスイッチを使っているなら、全て外してください。Fキーはいちばん低い音から順に以下のようなチューニングになります。

»A,Bb,C,D,E,F,G,A,Bb,C,D↓

Cキー

CキーはCの弦から順に弾いてドレミファソラシドに聞こえます。
だからいちばん低い音は1オクターブ下のラの音になります。
短調の曲も長調の曲(明るい躁な雰囲気の曲)も弾ける反面、弾けない曲も同じくらい多いです。弾ける曲は『サリーガーデン』など。

チューニングスイッチを搭載しているカンテレは、Bの弦のチューニングスイッチを縦に立ててください。着脱式のチューニングスイッチを使っているなら、Bの弦にチューニングスイッチを噛ませてください。(2カ所あります)Cキーはいちばん低い音から順に以下のようなチューニングになります。

»A,B,C,D,E,F,G,A,B,C,D↓

Gキー

GキーはGの弦から順に弾いてドレミファソラシドに聞こえます。
だからいちばん低い音は1オクターブ下のレの音になります。
Gキーで弾きやすい曲は多くありません……『夏影』がこのキーで演奏します。

チューニングスイッチを搭載しているカンテレは、BとFの弦のチューニングスイッチを縦に立ててください。着脱式のチューニングスイッチを使っているなら、BとFの弦にチューニングスイッチを噛ませてください。(3カ所です。)Gキーはいちばん低い音から順に以下のようなチューニングになります。

»A,B,C,D,E,F#,G,A,B,C,D↓

Dキー(カンテレの標準的な音階)

DキーはDの弦から順に弾いてドレミファソラシドに聞こえます。
だからいちばん低い音は1オクターブ下のソの音になります。
カンテレの標準的な音階といわれています。長調の曲を多く弾くことができます。弾ける曲は『カントリーロード』『おじいさんの古時計』など。

チューニングスイッチを搭載しているカンテレは、全てのチューニングスイッチを縦に立ててください。。着脱式のチューニングスイッチを使っているなら、BとFとCの弦にチューニングスイッチを噛ませてください。(5カ所です。)Dキーはいちばん低い音から順に以下のようなチューニングになります。

»A,B,C#,D,E,F#,G,A,B,C#,D↓

チューニングスイッチ

チューニングスイッチは弦の音を瞬間的に半音上下します。

上述したようにカンテレでは、演奏する曲に合わせてキーを切り替える必要があります。これは独りで演奏を楽しんでいるときには、ゆっくり時間をかけてチューニングすればいいのですが。ステージに立って人前で演奏しているときのような、時間のない状況では、パチンとキーを切り替えることのできるチューニングスイッチはとても重宝します。

チューニングスイッチには以下の2つのタイプがあります。

備え付けタイプ

最初からカンテレ本体に付いてるチューニングスイッチです。チューニングスイッチといえば、一般的にはこちらを指します。

写真の状態が通常で、矢印の方向にスイッチを倒すと弦の音が半音下がります。

指一本で操作できるので、非常に素早くキーを切り替えることができます。極端な話、曲の途中で操作して転調することもできます。

着脱式タイプ

備え付けのチューニングスイッチを持たないカンテレのための、後付けのガジェットです。弦に噛ませると音が半音高くなります。

写真のようにネジになっていて、正確に半音高くなるように、自分で予め長さを調節しておく必要があります。曲の途中で転調するような早業は見込めそうにありません。曲の合間にMCを入れながら次の曲に備える……みたいな使い方になるでしょう。

『カンテレの音階』の話は以上で終わりです。